ダリアの誘惑
秋レッスンに欠かせない花、ダリア。切り花でもいろいろな咲き方、色のダリアをみかけてワクワクしますが、園芸種はさらに多種多様なものがあり、咲き誇るさまは女王の風格。
何年か前に訪れたイギリスの Hever Castle ガーデンでは、小径に沿って咲くダリアが圧巻でした!とても素敵だったので、ダリアの季節にあわせて少しご紹介させて頂きます。
この Hever Castle は、イギリス国王ヘンリー8世の2番目の奥さんである、アン・ブーリンの実家、という日本人にはあまりピンとこない場所なのですが、このアン・ブーリンはエリザベス1世の生母ということで、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。ヘンリー8世は、アンと結婚するために最初の王妃と離婚しようとしますが、それを認めないローマ教皇庁と対立、その結果イングランド国教会の原型が成立した、というイギリス史においては重要な経緯があり、そんなアンが子供の頃過ごしたお城という事でイギリスでは有名な場所だそう。中世の佇まいそのままのお城も興味深いですが、なんといってもお庭が素敵なんです!ダリアのほかにもたくさんの花が咲いて、それは気持ちのいい場所でした。
散策していると、あっという間に時間が過ぎていました。大きな池ではボートにものれて、水辺に白鳥がゆうゆうと歩いていたり。イギリスの夏は日本のように蒸し暑くありませんから、日差しを避ければ快適に過ごせます。
この純白のダリアには目を奪われました。このように、細長い花びらが外側に巻いて尖るように咲くのはカクタス咲きというそうです。ちなみに、一枚目の写真のように規則正しく並んで咲くものはデコラティブ咲き(八重咲き)。切り花でも良く見るものですね!
発色も美しいものが多く、ガーデニングで人気なのも肯けます。うちの庭にも、いつか植えたいなあ。写真を見ているとブーケに束ねたくなってきますね!何を合わせたら素敵かな、なんて想像するのも楽しい。
ローズガーデンも、もちろんありました!イギリスの庭といえば、まずバラを思い浮かべませんか?この写真のバラも束ねたらめちゃくちゃ素敵なブーケになるだろうなあ笑。つい、ブーケにする前提で花を見てしまうのでした。
クレマチスと、背景の古いレンガの壁が素敵すぎてキュンキュンします。こんな風景は庭づくりのヒントにもなりますし、例えばフォトスタイリングの参考にもなります!素敵な場所にはたくさんのアイデアの元が見つかります。
Hever Castle はロンドンから電車で一時間ほどで行くことができます。免許を持っていたら、レンタカーして郊外ののどかな道をドライブしながら行くのも素敵。次のイギリス旅行で足をのばしてみてはいかがでしょうか?私が訪れたのは7月半ば過ぎ、バラもまだ咲いていて、ダリアは咲き始め、といった感じでした!なかなか旅に出られない日々が続きますが、少しでも旅気分を味わって頂けますように。