2021-10-19

エシカル装花。

ブドウの枝を使ったコンポジションスペシャル

先日、百貨店でのイベント装花という貴重な体験をさせて頂きました。JR名古屋高島屋さんで毎年開催される「ナチュラルビューティースタイル展」は、自然派アイテムが並ぶ人気のイベント。初出展の『Earth∞Youアースアンドユー』様ブースの装花を担当しました。

アースアンドユー(以下敬称略)は、飲料系会社に勤めるご主人と、ワイン講師の奥様の二人三脚で生まれたブランド。ワインを作るブドウの木を栽培する過程で、どうしても必要な剪定作業で切られた大量の枝葉をどうにか利用できないか?と、本来なら捨てたり燃やしてしまうそれらに着目。そこからポリフェノールの一種「レスベラトロール」という海外でも注目のスキンケア成分を抽出し美容乳液に配合しています。農薬など使わずナチュラルに育てられたブドウの剪定枝を活かす、人にも環境にも優しいエシカルコスメです。

※エシカルとは、「倫理的な」「道徳上」といった意味。法律などで決められたものでなくとも、多くの人が正しい、公平だと思うことをあらわしています。近年「エシカルであること」が消費活動においても求められるようになっていますが、その商品を作るために雇われた労働者に正当な報酬が払われているか(ex.途上国のコーヒー豆農家に正当な買い付け金額を支払っているか)、環境に負荷をかけていないか、などに配慮して作られたものを「エシカルな〇〇」などと言い表したりします。

車のラゲッジいっぱいの剪定ユーカリ

お話を頂いたとき、まず使いたいと思ったのは実際に製品に使われているブドウの枝。アースアンドユーのお二人からも枝を活用してもらいたいとのお話がありましたので、お願いして長野から送って頂き、装花の中心花材にすえました。それに何を合わせようかなと考えていた時に、ちょうど知り合いの方からユーカリの枝を剪定するけど要りませんか?と声がかかりました。ぜひください!と、車のラゲッジいっぱいのユーカリの剪定枝を譲って頂きました。イベントは6日間に渡るため、自然にドライになるユーカリはメンテナンス不要のもってこいの花材、しかも剪定枝を活かすということで、ブドウの枝を活かしているアースアンドユーのブランドストーリーにもぴったり合う!と、装花イメージがだんだんと固まっていきました。

枝が主役なので、あえて花は入れないことにしました。少しだけアクセントに、野ばらや庭のグラミネ(イネ科の植物)、紫式部の実などを加えてシンプルに。仕入れたものではなく、庭から採った植物、レッスン花材の予備などをドライにしたものを活かしてエシカルを意識しました。ディスプレイの中心は約1mのコンポジションスペシャル!パリの師匠、斎藤由美先生から直伝のまさにスペシャルなデザインは、目を引くオブジェとして素晴らしいアイキャッチとなりました。

アースアンドユー様より、ブースディスプレイ写真

小さなコンポジションスペシャルには、ブドウの色からイメージして紫式部の実をアクセントに。枝をまとめて器に入れ、商品ディスプレイの台として使ったり、ユーカリの枝を並べてつるしてストックの目隠しにしたり。ブース全体に植物を配することで、長野の自然を感じられるような、ナチュラルな空間になったと思います。周りのブースの方からも褒められましたよ、と装花も好評だったようで嬉しいです!(アースアンドユー美容乳液も大好評で、多めに準備したそうですが最終日には完売のアイテムも!)

枝を活かしたディスプレイ

私も会期中に足を運びましたが、手前味噌ながらグリーンが目を引き、商品を引き立てられていたかなあと思いました。剪定枝を活かしたということでユーカリを豊富に使え、ボリュームを出すことができたのも良かったと思います。ユーカリを譲っていただいたKさん、どうもありがとうございました!そしてたくさんの知り合いの方、生徒の皆様に「行ってきました、とても素敵でした!」「いい感じにドライになっていて、ぐっと冷え込んだ秋の天気にピッタリの雰囲気でした!」といった嬉しいご感想も頂きました。そしてお任せ下さったアースアンドユーのおふたりに感謝です。皆さま、ありがとうございました!

家にあったブドウと花で勝手にビジュアル撮影w

エシカルという言葉はよく聞きますし、自分でも少し意識はしているつもりでした。でも今回、アースアンドユーというエシカルコスメを通じて、花におけるエシカルという事を考えるきっかけになりました。イベント装花や結婚式ではたくさんの花を飾りますがそれを最後まで活かす方法とか(参加者の方に持ち帰ってもらうというのもある意味エシカルで、実際にそれは行われているところもありますね)、今回のように剪定して捨ててしまうような枝を使うことも一つの方法かも、など。廃棄される花を再利用したり、染めに使ったりといった活動をされている方もいらっしゃいますし、それはとても素敵なことだなと思います。ストイックなだけでは息が詰まるし長続きしませんから、みんなが笑顔になるエシカルな花を考えていきたいですね!

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