2022-12-15

Yumi SAITO Paris 一時帰国イベントリポート

◯年ぶりに、というワードをよく聞くwithコロナの今。パリスタイルの師匠、斎藤由美先生も実に3年ぶりに一時帰国されました。お忙しい日程の中、東京でのイベントが2日間にわたって開催され、私はその1日目に参加。圧巻のデモンストレーション、軽妙なユーモア溢れるトークに盛り上がり、会場はヒートアップ!たくさんの写真と共に、詳しくリポートしていきたいと思います。

会場前でザワザワと談笑しながら開始時間を待っていると、突然、パンパン!と二度うつ拍手の音。ハッと振り返るとそこに由美先生!知らぬ間に登場されていました。久しぶりのリアル由美先生に何だかドキドキ。お名前呼ばれたら中へお入りくださいね〜、と一人ずつ名前を呼ばれると、はーい!と元気よく返事をして中へ。私は写真をいい位置で撮りたいので張り切って前方の席を確保、Yumi SAITO Paris ディプロマの同期も同じテーブルへ。会場には壁一面の大きな窓があり、目の前には北の丸公園の木々と日本武道館が。自然光が美しく、花のイベントには最高のロケーションです。歌がお上手な由美先生、次はこちらで、と日本武道館をバックにした由美先生の写真をInstagramにあげる方もちらほら笑。

みなさんが席につき、いよいよイベントが始まります。

ようやく、帰ってこれました、またみんなと会えて嬉しい!と笑顔で挨拶しかけ、でも少し声を詰まらせて下を向く由美先生。会場全員グッときて大きな拍手、コロナで止まっていた時間がふっと動き出し、不思議な一体感に包まれたような感覚でした。ありがとう、と笑顔に戻ると、パリではマスクをしている人もほとんどおらず、日本に着いて久しぶりにマスクをしたことなど、ユーモアも交えながらのトークをしばし。

そして早速、デモンストレーションのスタートです!今回の作品は「コンポジションスペシャル」。コンポジションとはいわゆるアレンジメントのこと、そして器から装飾して作り上げるこちらはまさにスペシャルなデザイン。季節に合わせてNoël(ノエル、仏語でクリスマス)のコンポジションスペシャルです。

まずは器から作ります。今回はNoëlらしく針葉樹をたっぷりと使って。テーブルの上には整然と美しく花材を並べ、切り落とした不要な枝や葉は、すぐに掃除。料理人も、一流の方は調理中も常に作業台の上は美しいと聞きます。由美先生も然り。昔、最初に花を習った先生にも言われたこと、そして以前参加した帰国イベントの際、つい夢中になって床に枝葉を散乱させているのを由美先生に注意していただいて以来、私も常に綺麗にしながらレッスンを進めるように気をつけています。

アシスタントに入るのは金山幸恵先生。長年のコンビ、息もぴったり。お二人の所作の美しさにもうっとり。決して急いだり焦ったりしているように見えない手つき、でもマッハのスピードで仕上げていきます。いくら早くても、髪を振り乱して必死に作っていては見ている方もなんだか落ち着きません笑。お二人はいとも優雅に簡単そうに、難しいことをあっという間にやってのける。手は常に動かしながらも、細かなポイントを伝えることも忘れません!

大きな器がみるみる完成!

ただ巻き付けたように見えるかもしれません。でも実は細かいところまで気を配って作られています。由美先生はこれまで出された著書の中で、作品の作り方を写真付きで細かなプロセスまで公開されていますが、それだけをみて作ってもなんだかうまくいかない。というか、これで正解なのか?という疑問がいつまでも晴れないんですね。やっぱりこの目で見るのとは違う。ぜひ実際に見ていただきたい先生のテクニック満載です!

さて次は器にセットするブーケを束ねます。テーブルから落ちそうなほどに並べられる大量の花材。目を引くのが、岡山のスイートピー生産者「ファームたかお」さんの枝スイートピーです。ちょっと写真が前後していますが花姿をよく捉えていたのでこちらの写真を。ファームたかおさんのスイートピーは色も姿も格別で、市場で見かけたら直ぐに買わないとあっという間になくなってしまう人気ぶりです。それを100本以上、いやもっと?贅沢に束ねていきます。うらやましい〜!笑。みるみる大きくなるブーケは、片手では持てないほど。持てなくても大丈夫なのよ〜と、涼しい顔で束ね方を説明しながらどんどん束ねていきます!

これだけ大きいブーケはテーブルに置いて束ねていきますが、時折、持ち上げてバランスをチェック。高低差、透け感、こんなにも花材が入っていて窮屈にならないエアリーなブーケ。これぞテクニック。テーブルの周りに集まって、先生の手元を見つめます。

白塗りの枝がプラスされると、軽やかな印象がアップ!それにしても、笑みを絶やさずスイスイ束ねていくのは本当にすごい。これ、相当重いはず。さすがです。あれよあれよという間に、全ての花材を入れたらラフィアで結束します。

先ほどの器にセット。ぴったりと美しいバランスで収まるのはお見事というしかありません!魔法をかけるわよ〜とチランジアをふわり。

目線を下げて、ブーケの足元をチェック。どこから見ても美しく仕上げるために、俯瞰したり、細部に焦点を合わせたり。所作は優雅に目は忙しく動いて足りないところを探します。トークは軽やかに、今、自分が何をしているか、何を見ているかを伝えて下さいます。そうすると、由美先生の視点で私たちも作品を一緒に仕上げている気分になって、なんだか自分がトップフローリストになった気分で楽しくなってきます!ライブで見る醍醐味ですね。

器のグリーンを巻いたテープは、チランジアでカバー。さらに一体感が増して、パッと見ただけではどういう構造なのかわからない、もっと近くで見たい!と思わせる惹きつけるデザイン。そして最後の仕上げは胡蝶蘭!

長さの足りない花材を使う時のテクニック。胡蝶蘭は保水のためにチューブに入っているのですが、それを余った短い枝で隠してセットします。ほら、捨てるところないよね〜と、花材を無駄なく使うことも大切と話す由美先生。ディプロマレッスンでも、枝をなるべく捨てないように切り分けましょうね、と小さな蕾一つまで愛おしそうに大切に使っていたのがとても印象的でした。

ジャーン!笑 自然な仕上がりに。これだけ飾っても素敵よね、短時間のワークショップなんかにも使えるね!と、どんどんアイデアを話しながら、器の縁にセット。

完成しました!え、もう?もっと見ていたい〜と思うほどの早業。花も枝も、みんなのびのびと気持ちよさそうに美しく収まっていますね!

デモの後は、私たちも作るワークショップの時間。

さあ、次はあなたたちの番ですよ〜。コンポジションスペシャルを作りやすくした小品バージョン、10分で仕上げてね!でも丁寧にね〜。などと話しながら、見本をさっと作り上げていきます。

どんどん仕上げながら、クレーマーを賢く優雅に黙らせるトーク方法なども伝授、先生の技を見逃すまい!と食い入るように見つめる私たちを笑わせて、場を和ませます。そんなユーモアセンスも見習いたい!

マッハで仕上げた私たちの作品は、テーブルごとに並べてディスプレイ。

みなさん、さすが手早くお上手!そして、この作り方ならお子さんでも作れて楽しい!と今後に役立つ内容に大満足。先生がパリから運んできてくださった雪の結晶オーナメントをきらりと飾って、完成です。

片付けが終わったら、各自ドリンクバーから飲み物をとって、カンパーイ!!

由美先生に駆け寄りご挨拶したり、久しぶりにリアルで会えた同期と話したり、SNSでは繋がっていたけれどやっとお会いできましたね!のお花仲間さんと笑顔で声を掛け合ったり。久しぶりのリアルイベント、歓談タイムは賑やかに盛り上がりました!先生が愛用されている(この日もお召しになっていた)素敵なセミオーダーのワンピースドレスや真珠アクセサリーのご紹介もあり、素敵な人と素敵なものに囲まれて、なんだか夢のようなひととき。美しいものって、人を元気にさせてくれます。私ももっと自分磨きしないと!そんないい刺激ももらえました。由美先生はじめ、みなさんほんと素敵な方ばかり。

ディプロマ同期で記念撮影。これなかったみんなも心は一緒に。日本中に花仲間ができて、私の世界は広がりました。パリスタイルに出会えて人生が変わった、というのも大袈裟ではなく。このみんなの笑顔が、楽しさを物語っていますよね!たくさんの参加者、一人ひとりと語らう時間を設けてお声をかけてくださって。由美先生ありがとうございました!

イベント後には、ディプロマ仲間でお茶しましょう!と、屋上ガーデンへ。情報交換、近況報告。初めましての挨拶、いろいろ!笑。みんなそれぞれ頑張っていて、尊敬できる素敵な花仲間の皆さん、集えて楽しかった!同じスタイルを愛する同士、そんな繋がりが持てるのも幸せなことです。

都会の夕暮れ。非日常のひとときは心をリフレッシュさせてくれます。いつもと違う場所に行き、大好きなものに触れて、会いたい人に会う。ふらりと出かける旅も好きですが、こんなイベントに参加するためのショートトリップも良いものです。私にとって、自分の殻を破るきっかけはパリスタイルの花でした。あなたにとってそれは何でしょう?それはアートでも、ファッションでも、漫画やアニメでも、スポーツでも、なんでも良いのです。大切なのは行動すること。もし、パリスタイルの花にビビッときたのなら、次のイベントにはぜひ参加してみて下さいね。ウェルカム!近くのパリスタイル教室に体験レッスンに行くのも、非日常。そうして順番に扉を開いて、自分の好きを突き詰めていこう、そんなふうに改めて思えた一日でした。

時系列で写真をご紹介しながらのリポート、いかがでしたか?少しでも雰囲気をお伝えできたら嬉しいです!

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